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Ｍ氏。メンターというか我々の講師を務めるだけあり、漢方薬の知識・営業スキルは相当なものに見えた。

研修中は様々な部署・課からそれぞれの長や担当者が入れ代わり立ち代わり実技も交えた具体的な講習を行ってくれた。

それはそれで順調だったのだがある時入社研修中に同期が出てこない。

同じマンスリーマンションに住んでいるのにだれも気にかけていなかったのだ。

Ｍさんは「どうしたんでしょうね。携帯にかけても出ませんよ」と少し心配顔。最年長の私も当然心配。ひとまず昼まで講義を受け。昼休みに4人ほどでまずはマンションに戻ってみた。彼の部屋を訪ねる。すると出て来たではないか。「おーどうしたんですか？！心配していたんですよ。」聞けば二日酔いというか、気分が悪くて寝込んでいたらしい。ひとまず安心しその日は終了。

だけど次の日に退社したと聞いた。聞けば実家の親の具合も悪く、東京での研修が嫌だったらしい。後から聞いた話だが。

Ｍ氏に「会社の監督責任問われませんか？入社研修中に早々と辞退者がでるなんて」と投げかけると「会社に合う合わないは入ってからもそうですが、その人の耐性・性格にもよります。まずは自分が一番大事。人間ってそうでしょう？監督責任なんてどうにでもなります」ときっぱりと答えてくれた。

同い年ながらこいつすごい・達観しているなあと思った最初のエピソード。